感動!小学6年生「海の命」おすすめ言語活動

「海の命で感動的な授業にしたい」

小学校最後の物語の学習。子どもたちの心に残る国語の学習にしたいですよね。

今回は、「海の命」(立松和平 文 光村図書出版『国語六年』)のおすすめ言語活動を紹介します。

おすすめする言語活動は、

名セリフの解説をする

という言語活動です。

みなさんは、マンガや小説、読みますか? 私は、よく読みます。

その中で出てくる涙腺崩壊のセリフ。

皆さんもお気に入りの作品には必ずあるのではないでしょうか。

「このセリフ、泣けるなぁ」「何度読んでもグッとくる」

そんなセリフを語っている時はついつい熱く、どんどん語りたくなってきませんか。

そんな風にこの「海の命」の名セリフについて語る、そんな言語活動です。

この言語活動で押さえておきたいポイントは3つです。

ポイント1 その人物の考え方を語る
ポイント2 言葉から掘り下げる
ポイント3 自分の思いを語る

でりぐ

この名作のセリフについて熱く語るような授業にしたいですね。

目次

言語活動「名セリフ解説をしよう」

ポイント1 その人物の考え方を語る

ポイントの1つ目は、その人物の考え方を語るようにすることです。

この単元の学習で身に付けてほしい力は、

登場人物の関係をとらえながら、人物の生き方を考える

に設定されています。

ということは、そのセリフからその人物の生き方を読み取る、考えることが必要となります。

その人物の生き方とは考え方です。

その人物が何をどのように見て、どのように考えて、どのように発言しているか。

それがその人物の考え方であり、生き方だと思います。

1つのセリフからその人物の生き方を読み取り、自分なりに解釈していく。

それがセリフを解説すること、自分なりに語ることにつながっていきます。

でりぐ

その人物の考え方というと難しい時は、そのセリフを言った理由という風にしてもいいと思います。

ポイント2 言葉から掘り下げる

ポイントの2つ目は、言葉から掘り下げることです。

国語科は、言葉について学習する教科です。

ここが道徳とは異なるところです。

人物の生き方について自分の解釈をもつことを書かれていること、使われている言葉や文から読み取っていくことを忘れてはいけません。

「そのセリフについて解説する」といっても、どうすればいいか分からないという子どもの反応は当然あると思います。

その時に、1つの手引きとして使われている言葉、使われ方から掘り下げてみるということをおすすめします。

具体的に言うと、もしこのセリフに使われている言葉が違う言葉だったら、違う言い方だったら、という風に言い換えさせてみて比べさせるのです。

例えば、「ぼくは漁師になる。おとうといっしょに海に出るんだ。」という太一のセリフがあります。

これがもし「僕は漁師になろうかな」だったらどうでしょう。

「おとうと一緒に魚をたくさんとる」だったらどうでしょう。

言い換えて比べる対象を作ってみると、子どもなりに違いを感じ、考えを持ちやすくなります。

その中で作品にこだわって使われている言葉の重さ、深さを感じ、「やっぱりこの言葉、言い方でなければならないんだな」と感じることができたのであれば、それはすばらしい読み方だと思います。

でりぐ

子どもだけで言い換えが思いつかない時は教師が言い換えの選択肢を示してあげるといいですよ。

ポイント3 自分の思いを語る

3つ目のポイントは、自分の思いを語らせることです。

何度も出てきますが、この単元で身に付けてほしい力は、「登場人物の関係をとらえながら、人物の生き方について自分の考えを広げる力」です。

人物どうしの関係やその人物の生き方について自分の考えを持てなければなりません。

「自分はこう思う」ということが必須なのです。

ですから、人物の関係や人物の生き方について自分なりの考えを表す場面をつくるのです。

セリフや人物の考えについて自分の考えをすんなりと持てる子どもはいいですが、なかなか自分の考えといっても思い浮かばないといった子どももいると思います。

そんな時は、いろいろな考えにふれさせることが重要だと思います。

その子どもの中に思い浮かぶ材料がないのですから、「よく考えましょう」と言っても思い浮かばないように思います。

それは考えているというよりも困っている状態です。

困っているのであれば、手を差し伸べてあげたいですね。

そんな時に私は、教師や友達と一緒にそのセリフについて語り合うということをします。

このセリフについてどう思うか、どのように考えるか、こう考えられるのではないか、視点を変えるとこうも読めるのではないか。

そのような教師や友達の考えをたくさん聞く中で、「ぼくだったらコレかな」「この考えに近いかな」「この考えは違うな」ということが出てきます。

それは「答えを教えているようなものだ」という意見もあるかもしれませんが、自分の中になかった考えを対話を通して膨らませ、その中で自ら選択したのですから「答えを教えた」とはならない、むしろ対話的な学習といえると思います。

でりぐ

どんどん教師が考えを伝え、教えたり、友達とつないだりしてあげましょう。

名セリフ解説の実際

実際にわたしが、6年生に行った単元の中で子どもが書いた「名セリフ解説」が次のようなものでした。

父へのあこがれの気持ちがつまった「ぼくは漁師になる。おとうといっしょに海に出るんだ。」

「ぼくは漁師になる。おとうといっしょに海に出るんだ。」この言葉は、太一がおとうの姿を見てあこがれたという気持ちが伝わってきます。おとうが潮の流れが速く、だれにももぐれない瀬に一人でもぐっている姿を小さなころから見ていた太一は、その姿にあこがれ、漁師になるという強い気持ちを持っているのだと思いました。
 この言葉がもし、「ぼくは漁師になりたい。おとうといっしょに海に出てみたいな。」であれば、絶対に漁師になりたいという強い気持ちが伝わってきません。それに、強いあこがれの気持ちも伝わってきません。「ぼくは漁師になる。おとうといっしょに海に出るんだ。」という言葉だからこそ、太一の強いあこがれや、必ず漁師になり、おとうといっしょに海に出るぞという強い決意が伝わるんだと思いました。

まとめ

それでは、今回のまとめです。

今回、おすすめの言語活動として、紹介したのは、

名セリフの解説をする

そのためのポイントを3つ。

ポイント1 その人物の考え方を語る
ポイント2 言葉から掘り下げる
ポイント3 自分の思いを語る

言語活動をうまく進めるためには、教材分析をしておくことは欠かせません。

以下の記事では、「教材分析はなぜ必要なのか?」について解説しているので、こちらの記事もぜひ併せて読んでみてください。

「海の命」の教材分析もしています。海の命の教材としての特徴を知っておくと、授業がとても魅力的になりますよ。

でりぐ

この単元や言語活動についての質問があれば、送ってくださいね。

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