「大造じいさんとがんを深く味わえるような授業にしたい」
表現豊かな「大造じいさんとがん」(椋鳩十 作 光村図書出版『国語五年』)にぴったりな言語活動の紹介です。
今回、おすすめしたい言語活動が、
書評文を書く
という言語活動です。
書評文とは、書物について、その内容を紹介・批評した文章のことですね。
その作品に対して自身の評価を加えて紹介するというものです。
この単元で身に付けてほしい力は、「表現の工夫や効果に着目して読むことのできる力」です。
これぞ王道の国語の授業、と言われるものですが、子どもからするとあまりピンとこないことも多かったり、
そもそも文章表現がおもしろいなんて思わない、ということもあるかもしれません。
ぜひ「へぇ、そうなんだ!」「言われてみるとおもしろい!」と思わせることから始めていきましょう。
そのために押さえておきたいポイントは3つです。
ポイント1 表現の工夫と効果について積極的に教える
ポイント2 「なんとなく好き」から始める
ポイント3 短く書いてみるから始める
まずはハードルを下げて、子どもが言語活動を楽しめるようにしてあげましょう。
言語活動「大造じいさんとガンの書評文を書こう」
書評文を書くという言語活動は書いたことのない子どもにとっては難しく感じるでしょう。
まずは、書評文を書く前に作品に散りばめられている表現の工夫と効果について読むことができるようになれば、子どもは間違いなくおもしろいと感じるはずです。
ポイント1 表現の工夫と効果について積極的に教える
この言語活動のポイント1つ目は、表現の工夫と効果について積極的に教えることです。
子どもに「表現の工夫と効果を探しましょう」と伝えても、おもしろいと感じていないもの、しかもどうやって探せばいいのか分からないものを探そうとしても意欲がわきませんし、やりたいとも思いません。
まずは、「おもしろい」「探してみたい」と思わせることが重要です。
そのためには教師が本気で教材分析した表現の工夫とその効果の魅力、おもしろさを伝えてあげましょう。
教材分析については次の記事も参考になると思います。
子どもに「おもしろい!」と思わせることができるか、ここが最も重要です!
ポイント2 「なんとなく好き」から始める
ポイントの2つ目は、子どもの「なんとなく好きかも」から始めさせることです。
国語が苦手な子どもにとっては、「表現の工夫があらわれているところを見つけましょう」と言われても、「どこを取り上げたらいいのか分からない」「そもそも表現の工夫があるところはどこなの?」となってしまいがちです。
そんな時は、この作品でなんとなく好きなところから始めることがオススメです。
子どもが作品を読んで「なんとなく好き」「なんとなくいいと感じた」ところは、その子どもの言語感覚で捉えた文章表現の効果が隠れているにちがいありません。
その子どもが選んだ表現がいかに素晴らしいかを教えてあげたり、その表現を見つけた感性を価値づけてあげたりすることで、その子どもにとって自信の持てる価値ある学習になると思います。
ポイント3 短く書いてみるから始める
ポイントの3つ目は、短く書いてみるから始めさせることです。
文章表現の効果について書評文を書くということだけを聞くと大人でも難しく感じますよね。
子どもならなおさらです。
書き始めるハードルが高くなれば、書きたくなくなってしまいます。
ですので、短く、簡単に書き始められるようにハードルを下げてあげましょう。
この文がいいと思った。(この文を読んでこう感じた)
この文にはこんな効果があると教えてもらった。(この文にはこんな効果があると考える)
このようなことを短く2〜3文くらいから書けるといいと思います。
書評文の具体例
ここまで紹介してきた大造じいさんとガンの書評文の具体例が次のようになるかと思います。
この文章が実際に5年生が学習の中で書いた文章となります。
まとめ
今回、「大造じいさんとガン」のおすすめ言語活動として紹介したのは、
書評文を書く
です。
そのためのポイントを3つ。
ポイント1 表現の工夫と効果について積極的に教える
ポイント2 「なんとなく好き」から始める
ポイント3 短く書いてみるから始める
言語活動をうまく進めるためには、教材分析をしておくことを欠かせません。
以下の記事では、「教材分析はなぜ必要なのか?」について解説しています。
他にもおすすめの言語活動を紹介しています。そちらもぜひあわせて読んでみてください。
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