「ごんぎつねの授業はどうしたらいいの?」
せっかくの名作。楽しく、しかも国語の力がつく授業がしたいですよね。
今回は、「ごんぎつね」(新美南吉 作 光村図書出版『国語 四年下』)のおすすめ言語活動を紹介します。
おすすめする言語活動は、
ごんと兵十、おたがいに手紙を書く
という言語活動です。
シンプルにごん、兵十になりきってお互いに向けた手紙を書くのです。
ずいぶんシンプルだな、と思われるかもしれませんね。
言語活動は「シンプルで分かりやすく、それでいて奥深い」がいいのです。
子どもたちが取り組みやすく、深めやすいですからね。
この言語活動で押さえておきたいポイントは3つです.
ポイント1 いつ書いたかをはっきりさせる
ポイント2 最後に手紙を並べて読む
ポイント3 全てを書かせようとしない
それぞれのポイントについて順番に解説していきますね!
言語活動「おたがいに手紙を書く」
ポイント1 いつ書いたかをはっきりさせる
ポイントの1つ目は手紙を書いたタイミングを明確にすることです。
その手紙はごんが、兵十が、いつ書いたのか、という言語活動の設定は非常に重要です。
なぜなら、ごんや兵十は気持ちが変化していき、その場面ごとに気持ちが異なるからです。
気持ちが異なるということは、手紙に書く内容は違ってきますよね。
いつ書いた手紙だ、ということをはっきりさせることで、その場面における気持ちを読み取ることにつながります。
例えば、ごんがうなぎを盗むいたずらをした夜に書いた手紙と、兵十のおっかあが亡くなったことを知った後に書いた手紙は内容は全く違ったものになるはずです。
いつ書いた手紙なのか、という設定をはっきりさせて書かせると人物の気持ちにぐっと迫ることができます。
手紙を書いた設定をすると、お話の中で手紙は数枚書いていることになりますよね。
ポイント2 最後に手紙をならべて読む
ポイントの2つ目は、最後に手紙をならべて読むことです。
人物の気持ちの変化をとらえるためには、どのように変わったのかということが分からないといけません。
変化をとらえるためには全体を俯瞰して見る必要がありますね。
はじめの場面ではこういう気持ちだったけれども、途中の場面でこんな気持ちになって、最後の場面ではこんな気持ちに変わっていった。
書いた手紙をはじめからおわりへと並べて読むことで、気持ちの変化がとらえられます。
その時に、気持ちがどのように変化してきたのか、まとめておくといいですね。
ポイント3 全てを書かせようとしない
ポイントの3つ目は、全てを書かせようとしないことです。
2人の登場人物の手紙をすべての場面で書かせようとすると、大変な労力と時間がかかってしまいます。
ですので、私は全ての場面を2人分、書かせる必要はないと思っています。
私であれば、役割を持たせたり、書きたいところから書かせたりします。
そうすることで、選択して主体的に取り組む場面をつくり出せたり、個別の学習進度に合わせたりすることができます。
早く書ける子どもはどんどん進めるし、ゆっくりな子どもは自分のペースでできるというイメージですね。
また、手紙を読み合ったり、内容について協議させることで対話を生み出し、協働的な学習につなげることができます。協議の方法、対話のもたせ方は教師が意図によりますね。
言語活動のイメージ
言語活動のイメージがあった方がいいと思いますので、例えば、ごんが兵十のおっかあが亡くなったことを知った夜、兵十に手紙を書いたとしたら、という設定であれば、次のような手紙が考えられます。
まとめ
それでは、今回のまとめです。
「ごんぎつね」のおすすめ言語活動は、
ごんと兵十、おたがいに手紙を書く
そのためのポイントを3つ。
ポイント1 いつ書いたかをはっきりさせる
ポイント2 最後に手紙を並べて読む
ポイント3 全てを書かせようとしない
言語活動を進めるためには、教材分析をしておくことは欠かせません。
以下の記事では、「教材分析はなぜ必要なのか?」について解説しているので、こちらの記事もぜひ併せて読んでみてください。
「ごんぎつね」の教材分析もしています。ごんぎつねを教材として知っておくと、授業がとても魅力的になりますよ。
コメント
コメント一覧 (2件)
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